上京男子がホストになってしまった話
東京に友達がいなかった私は、オフ会に参加して友達作りをしていた時期がありました。
その中の一人に田舎から上京してきた年下の男の子がいて、どこか垢抜けないかんじの雰囲気が私と同じ感じがして、彼と話していると和みました。
みんなのムードメーカーで、輪の中心にいつもいて、
男女関係なくみんな彼のことが好きだったと思います。
恋愛感情とかは一切ないのですが、私も弟みたいなかんじで可愛いな~と思っていました。
彼のことはとりあえず上京君と呼びます。(うしじまくん風)
私が仕事が忙しくなりそういうオフ会に行く機会も減り、だんだん連絡を取らないようになりました。
そんなある日上京くんから、
「ひさしぶり~!ごはんいかない?」
そんなかんじの内容のメールが来ました。
どうしているのかちょっと気になっていたので、久しぶりに会う約束をしました。
居酒屋に行くと、いかにもホストです!みたいな身なりの上京君が待っていました。
あれ~雰囲気変わったね~みたいな話をしていると、
新宿歩いてたらホストやらないかって誘われたのでホストで働きはじめたとのこと;
私はホストは行ったことなかったので、
ホストの仕事についていろいろ話を聞いていました。
まだ新人なのでぜんぜんお金がなくて困っているという話をされ、
彼も私と同じように単身で東京に来て一生懸命がんばっているのだから、応援してあげたい!
そう思い、私でよかったら遊びにいくよ~という話をしました。
「ホント!?ありがとう!!先輩にいっておくね!!」
彼はすごい喜んでくれました。
それから、毎週のように上京君から電話がかかってくるようになりました。
「いつくる??今週これない?」
「今度誕生日だから絶対来てほしい」
「売り上げが本当にやばい。助けてほしい。先輩に怒られる」
早く行ってあげたかったのですが、
相変わらず仕事が忙しく、毎日終電土日出勤だったので全然都合がつかず、なかなか行けなかったのです。
で、そろそろ都合がつきそうになった頃、今度ホストいくんだ~という話を男友達にしました。
その友達は元ホストをやっていたので、いろいろ教えて~と聞こうとしたら険しい顔をして
「ねえ、カモにしようとされてるの気づいてないの?
もうその子はトヨコのこと友達だなんて思ってないよ」
「トヨコの優しさを利用しようとしてんだよ。ホストってそういう仕事だから」
その瞬間目が覚めました。
確かに、友達と思っているならお金のかかるホストになんて呼ばないはずだ。。。
純粋だったあの子はもういないのか・・・
そう思うととても寂しかったですが、彼のメール・電話を拒否して縁を切りました。
上京君は今もホストでがんばっているのかな・・・